大日堂(金堂)
乙宝寺の中心堂宇。延亨二年(1745年)に再建された旧大日堂は昭和十二年に焼失。現在の御堂はその再建で、昭和五十八年に竣工した。大きさは旧大日堂に倣い十五間四面となっている。本尊に大日、弥陀、薬師の三尊を祀り、所願成就の御祈祷がお勤めされる。
方丈殿(真言堂)
平成の夢殿、方丈殿。明治二十六年に焼失した方丈殿の復元で平成七年に竣工。御本尊は不動明王。古式の工法により中世の純和様式に拘って建立された。大日堂が祈願の道場であるのに対し、方丈殿は滅罪或いは自分の心を見つめる真言密教専一の道場である。
三重塔
国指定重要文化財。元和六年(1620年)、村上城主周防守忠勝公の寄進により建立された。純和様式の建築で、柿葺きの線が美しい。塔内安置仏は普賢菩薩で、辰年と巳年生まれの守り本尊である。
仁王門
延亨二年(1745年)に改修。奈良創建の金堂の古材が使用されている。仁王尊は行基菩薩の御作。また、山額「如意山」は洛東智積院第七世運敞の揮毫。
地蔵堂
本尊は地蔵菩薩。別名で千体地蔵尊とも呼ばれている。当山で供養した水子の塔婆が奉納されており、老若男女を問わず供養の念をささげる熱心な信者が絶えない。
観音堂
本尊は如意輪観世音菩薩。越後三十三観音霊場第二十六番札所にもなっている乙宝寺の観音様である。
六角堂
延亨年間に再建された御堂で、本尊は釈迦如来。地下には当山に伝わる仏舎利を祀った五重塔の心礎が安置されている。この御堂は結びの堂とも呼ばれ、良縁成就の御利益がある。